DSCR(元利金返済カバー率)の計算
1年間の返済前の利益(営業利益など)と、1年間に返す元金・利息の額を入れると、DSCR(元利金返済カバー率)を計算します。借入の返済にどれだけ余裕があるかの目安です。
計算方法
DSCR(元利金返済カバー率) = 1年間の返済前の利益 ÷(1年間に返す元金 + 1年間に払う利息)
その年に返さなければならない額を、返済に回せる利益で何倍まかなえるかを表す数字です。1.0倍がちょうど返済額と同じで、それを下回ると、その年の利益だけでは返済に足りないことになります。
例:返済前の利益1,200万円、元金の返済800万円、利息の支払200万円なら、DSCR=1,200万円÷1,000万円=1.2倍です。返済額に対して2割の余裕がある状態です。
「返済前の利益」には、営業利益に減価償却費を足し戻した額を使うことが多くあります。減価償却費は、すでに払った設備代を少しずつ費用にしているもので、その年に現金が出ていかないためです。
元金の返済は費用ではないので、損益計算書の利益には出てきません。そのため黒字でも返済でお金が足りなくなることがあり、この指標で確かめます。税金、役員報酬、設備の買い替えの支出は入っていないため、実際の余裕はこの数字より小さくなります。
これは融資の審査や事業計画で一般に使われている式の定義で、参照する公的な資料や、法令で決まった基準はありません。何倍あれば十分かは、事業の種類や貸す側の考え方によって違います。
出典:式の定義(融資の審査・事業計画で一般に使われているもの)
よくある質問
DSCRはいくつあればいい?
決まった基準はありませんが、1.0倍を下回ると、その年の利益だけでは元利金を返しきれないことになります。
減価償却費はなぜ足し戻すの?
減価償却費は帳簿の上の費用で、実際にお金が出ていくわけではないため、実際に返済に使えるお金の目安を見るときに足し戻します。