今期の赤字を前の期に繰り戻して法人税の還付を受ける計算
今期の赤字(欠損金額)と、前の期の所得金額・法人税額を入れると、繰り戻して戻ってくる法人税の額と、翌期以降に繰り越して残る赤字を出します。青色申告をしている中小企業者等が使える制度です。
くわしい条件を変える(なくても計算できます)
繰戻し還付を受けるまでの手順
- 確かめる 前の期から今期の前の期まで、続けて青色申告の確定申告書を出しているか見る
- 期限までに 今期の青色申告の確定申告書を、事業年度の終わりの日の翌日から2か月以内に出す
- 同時に 欠損金の繰戻しによる還付請求書を、確定申告書といっしょに税務署へ出す
還付を受けられるかどうかは税務署の調査のあとに決まります。税務署の窓口で確認してください
計算方法
戻ってくる法人税額 = 前の期の法人税額 ×(今期の赤字 ÷ 前の期の所得金額)
今期の赤字が前の期の所得金額を超えるときは、前の期の所得金額までが上限です(割合は1を超えません)。
例:前の期の所得800万円で法人税124万円、今期の赤字500万円なら、124万円×500万円÷800万円=775,000円が戻ってきます。残りの赤字は0円です。
使える会社(国税庁 No.5763)
青色申告の確定申告書を出す法人のうち、事業年度の終わりの日の資本金の額が1億円以下の普通法人などが中小企業者等に当たります。資本金5億円以上の法人に全部の株を持たれている会社、大通算法人などは除かれます。中小企業者等以外の法人は、平成4年4月1日から令和8年3月31日までの間に終了する各事業年度に生じた赤字については、この制度を使えません。ただし清算中に終了する各事業年度の赤字、解散などの事実が生じた場合の赤字、災害による損失の赤字は使えます。
3つの条件(法人税法80条3項)
- 繰り戻す先の事業年度から今期の前の事業年度まで、続けて青色申告の確定申告書を出していること
- 今期の青色申告の確定申告書を、その提出期限までに出していること
- その確定申告書と同時に、欠損金の繰戻しによる還付請求書を出すこと
繰り越しとの違い
繰り戻しは、前の期に納めた法人税が現金で戻ってきます。繰り越しは、青色申告の法人なら10年間、もうけが出た年の所得から赤字を引けます。どちらが有利かは、来期以降のもうけの見込みで変わります。
入れていないもの
地方法人税・法人住民税・法人事業税の扱い、グループ通算をしている会社の計算、災害による損失の繰戻し(青色申告なら前2年に繰り戻せます)は入れていません。
出典:国税庁 No.5763 欠損金の繰戻しによる還付、e-Gov法令検索 法人税法 第80条(欠損金の繰戻しによる還付)
よくある質問
繰り戻しと繰り越しはどちらが有利?
繰り戻しは前の期に納めた法人税が現金で戻ってくるため、資金がすぐに必要なときに向きます。繰り越しは10年間使えるので、来期以降に大きなもうけが見込めるときに残す考え方もあります。どちらも選べるため、来期以降の見込みを見て決めてください。
前の期が赤字だった場合は?
前の期の所得金額が0円なら、戻ってくる法人税はありません。その場合は繰り越して、もうけが出た年に引くことになります。
還付請求書だけ後から出せる?
今期の青色申告の確定申告書と同時に出す必要があります(法人税法80条3項)。確定申告書を期限までに出していることも条件です。期限後に気づいた場合の扱いは税務署で確かめてください。