事業の赤字をあとの年に引く計算(純損失・欠損金の繰越控除)
今年の黒字と、過去に出した赤字を入れると、今年いくら引けるか、来年へいくら残るかを出します。個人の青色申告は3年、白色申告は被災事業用資産の損失などだけが3年、法人の青色申告は10年です。法人は中小法人等かどうかで引ける上限が変わります。
| 何年前(法人は何期前) | 赤字の額(円) | |
|---|---|---|
繰越控除を使うための手続き
- 赤字の年 青色申告の承認を受けた上で、期限内に確定申告書を提出する
- 翌年以降 黒字の年も含めて、続けて確定申告書を提出する
- 法人 欠損金の生じた事業年度以降の帳簿書類を保存しておく
- 申告書の記載 繰越控除を受ける年の申告書に、繰り越す赤字の額を書く
実際に使えるかどうかは税務署で確認します
計算方法
赤字を引いたあとの所得 = 今年の黒字の所得 − 引ける赤字の合計
引ける赤字の合計 = 期限内の赤字を古い年から順に足した額(上限は所得 × 控除の限度の割合)
例:今年の所得が500万円で、1年前に300万円、3年前に100万円、4年前に50万円の赤字があるとします。個人の青色申告なら4年前の分は期限切れなので、300万円と100万円の合わせて400万円を引いて、所得は100万円になります。
繰り越せる期間
| 誰の赤字か | 期間 | 引ける上限 |
|---|---|---|
| 個人・青色申告 | 3年 | 所得の100% |
| 個人・白色申告(被災事業用資産の損失、変動所得の損失だけ) | 3年 | 所得の100% |
| 法人・中小法人等 | 10年 | 所得の100% |
| 法人・中小法人等以外 | 10年 | 所得の50% |
法人の10年は、平成30年4月1日以後に始まった事業年度に出た欠損金です。それより前に始まった事業年度のものは9年です。
引く順番
期限が早く来る古い年の赤字から先に引きます。こうすると、期限切れで使えなくなる分を減らせます。
使うための条件
個人は、赤字が出た年に確定申告書を出し、そのあとも続けて確定申告書を出していることが必要です。法人は、欠損金が出た事業年度に青色申告書を出し、そのあとも続けて確定申告書を出し、帳簿書類を保存していることが必要です。
出典:国税庁 No.2070 青色申告制度、国税庁 No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除、e-Gov法令検索 所得税法 第70条(純損失の繰越控除)・第70条の2
よくある質問
白色申告でも赤字を繰り越せる?
繰り越せるのは、変動所得の金額の計算上生じた損失と、被災事業用資産の損失だけです。ふつうの事業の赤字を繰り越したいときは、青色申告の承認を受けてください。
何年前の赤字まで使える?
個人は3年前までで、4年前の赤字はもう引けません。法人は10年前までで、11期前のものは引けません。
赤字を前の年に戻すことはできる?
個人は、前の年も青色申告をしていれば、繰り越すのに代えて前の年の所得から引き、前の年の所得税の還付を受ける方法も選べます(純損失の繰戻し)。