個人事業主・フリーランスの確定申告の計算(2026年分・令和8年分)
売上と経費、減価償却、青色申告特別控除を入れるだけで、個人事業主・フリーランスが納める所得税・住民税・消費税・個人事業税の目安が、このページだけでわかります。会社員・副業・年金にも切り替えられ、金額を確定申告書のどの欄に書き写すかまで出します。
1. 収入
くわしい条件を変える(なくても計算できます)
2. 経費と青色申告
| 費目 | 金額(円) | |
|---|---|---|
くわしい条件を変える(なくても計算できます)
| 資産の名前 | 使い始めた日 | 取得価額(円) | 耐用年数(年) | 償却のしかた | |
|---|---|---|---|---|---|
| 費目 | 1年に払った額(円) | 事業割合(%) | |
|---|---|---|---|
差し引けるもの(控除)を変える(そのままでも計算できます)
家族とあなたの状況を変える(そのままでも計算できます)
| その人の合計所得金額(円) | |
|---|---|
5. すでに納めた税金
くわしい条件を変える(なくても計算できます)
個人事業税と消費税を変える(そのままでも計算できます)
確定申告を出すまでの手順
- 準備 売上と経費の帳簿、控除の証明書をそろえて決算書を作る
- 2月16日〜3月15日 国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書を作る
- 提出 e-Tax・郵送(消印の日が提出日)・所轄の税務署のどれかで出す
- 3月15日まで 所得税を納める(個人事業者の消費税等は3月31日まで)
期限が土曜日・日曜日・祝日などに当たるときは、その翌日が期限になります。判断に迷うところは所轄の税務署で確認してください
青色申告決算書・源泉徴収票のどこを見るか
青色申告決算書(一般用)との対応
個人事業主の人は、結果の表の金額を、青色申告決算書(白色申告は収支内訳書)の次の欄にも書きます。国税庁が公表している決算書の様式は、文字が画像になっていて欄の番号を機械で読み取れませんでした。そのため、ここでは欄の名前だけを出し、番号は出していません(2026年9月23日に確認)。
| この計算の金額 | 青色申告決算書(1ページ目)の欄 |
|---|---|
| 売上(事業の収入) | 売上(収入)金額 |
| 経費の内訳・家事按分・そのほかの経費 | 経費の各科目(地代家賃・水道光熱費・通信費など) |
| 減価償却する資産の償却費 | 減価償却費(明細は3ページ目の「減価償却費の計算」) |
| 青色事業専従者給与 | 専従者給与 |
| 青色申告特別控除 | 青色申告特別控除額 |
| 事業所得(営業等) | 所得金額 |
家事按分は、決算書3ページ目の「地代家賃の内訳」や、経費の各科目に事業の分だけを入れます。
給与所得の源泉徴収票との対応
会社員・パートの人は、12月か1月にもらう「給与所得の源泉徴収票」から、次のように写します。
| この計算の入力 | 源泉徴収票の欄 |
|---|---|
| 給与の収入金額 | 支払金額 |
| 源泉徴収された所得税 | 源泉徴収税額 |
| そのほかの社会保険料 | 社会保険料等の金額 |
| 生命保険料控除の額 | 生命保険料の控除額 |
| 地震保険料控除の額 | 地震保険料の控除額 |
| 住宅ローン控除の額 | 住宅借入金等特別控除の額 |
年金だけの人は「公的年金等の源泉徴収票」の支払金額・源泉徴収税額・社会保険料の金額を使います。自分で払った国民健康保険料・国民年金保険料は、源泉徴収票に載らないので、それぞれの欄に入れてください。
第二表にも書くこと
- 社会保険料控除⑬・小規模企業共済等掛金控除⑭…「保険料等の種類」「支払保険料等の計」「うち年末調整等以外」
- 生命保険料控除⑮…新生命保険料・旧生命保険料・新個人年金保険料・旧個人年金保険料・介護医療保険料に分けて書く
- 地震保険料控除⑯…地震保険料・旧長期損害保険料に分けて書く
- ひとり親・寡婦・勤労学生・障害者…「本人に関する事項(⑰〜⑳)」
- 寄附金控除㉙…「寄附金控除に関する事項(㉙)」に寄附先の名称と金額
- 一時所得⑪…「総合課税の譲渡所得、一時所得に関する事項(⑪)」に、特別控除50万円を引く前の収入金額・必要経費等と、その差引金額
- 事業税…「事業税に関する事項」に、非課税所得・損益通算の特例・不動産所得から差し引いた青色申告特別控除額などを書きます。個人事業税の申告書は別に出しません
- 源泉徴収税額㊾…「所得の内訳(所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額)」に支払者ごとに書き、合計を㊾へ
- 配偶者・扶養親族…「配偶者や親族に関する事項(⑳〜㉔、㉟、㊵)」に氏名・個人番号・続柄・生年月日
- 事業専従者…「事業専従者に関する事項(58)」に氏名・個人番号・続柄・生年月日・従事月数と給与(控除)額
- 医療費控除㉘…第二表に欄はなく、別に「医療費控除の明細書」を出します
申告書の様式について
ここに出している第一表・第二表の欄の番号は、国税庁が公表している確定申告書の様式で確かめました。第一表・第二表とも「令和七年分以降用」と書かれた様式で、公表されている最新のものは令和7年分です。令和8年分の様式はまだ公表されていません(2026年9月23日に確認)。番号が変わったときは直します。㊿までは丸数字がありますが、51番から先は丸数字がないため、かっこ付きの数字で書いています。
もっとくわしく計算したいとき
経費の記録、減価償却、青色申告特別控除、インボイスの2割特例・簡易課税・本則の比較、国民健康保険料、国民年金保険料、医療費控除、特定親族特別控除、雑損控除と災害減免法、ふるさと納税、寄附金控除、住宅ローン控除、生命保険料控除、地震保険料控除、iDeCo、雑所得、年金の税金、予定納税、延滞税、年末調整の還付金で、それぞれくわしく出せます。
計算方法
納める(戻る)所得税 = 所得税及び復興特別所得税の額 − 源泉徴収税額 − 予定納税額
例:売上800万円・経費300万円・青色申告特別控除65万円の個人事業主(国民健康保険料40万円・国民年金213,810円)なら、事業所得4,350,000円、所得控除1,653,810円(社会保険料613,810円+基礎控除1,040,000円)、課税される所得金額2,696,000円です。所得税172,100円に復興特別所得税3,614円を足して175,714円、納める税金は175,700円になります。
計算の順番(確定申告書第一表のとおり)
- 事業所得 = 売上 −(経費の内訳 + 家事按分 + 減価償却費 + 青色事業専従者給与 + そのほかの経費)− 事業専従者控除(白色)− 青色申告特別控除
- 給与は給与所得控除、年金は公的年金等控除、一時所得は特別控除50万円を引いて2分の1にして、所得を合計する(第一表 ⑫)
- 所得から差し引かれる金額(所得控除)を合計する(第一表 ㉚)
- ⑫ − ㉚ を 1,000円未満切り捨てして、課税される所得金額を出す(第一表 ㉛)
- 速算表の税率をかけて控除額を引き、所得税を出す(第一表 ㉜)
- 配当控除(第一表 ㉝)・住宅ローン控除(第一表 ㉟)などの税額控除を引いて、差引所得税額(第一表 ㊷)と基準所得税額(第一表 ㊹)を出す
- 復興特別所得税 = 基準所得税額 × 2.1%(1円未満切り捨て)を足す(第一表 ㊺・㊻)
- 源泉徴収税額を引き、黒字なら 100円未満切り捨て(第一表 ㊿)。さらに予定納税額を引いたものが、納める税金(第一表 52)か還付される税金(第一表 53)
所得税の速算表(令和8年分)と早見表
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 | 所得税 | 復興特別所得税を足した額 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000,000円 | 5% | 0円 | 50,000円 | 51,050円 |
| 2,000,000円 | 10% | 97,500円 | 102,500円 | 104,652円 |
| 3,000,000円 | 10% | 97,500円 | 202,500円 | 206,752円 |
| 5,000,000円 | 20% | 427,500円 | 572,500円 | 584,522円 |
| 7,000,000円 | 23% | 636,000円 | 974,000円 | 994,454円 |
| 10,000,000円 | 33% | 1,536,000円 | 1,764,000円 | 1,801,044円 |
| 20,000,000円 | 40% | 2,796,000円 | 5,204,000円 | 5,313,284円 |
いちばん右は、所得税に復興特別所得税(2.1%)を足した額です。実際にはここから源泉徴収税額と予定納税額を引きます。
青色申告特別控除
- 65万円:複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を付けて期限内に申告し、さらにe-Taxで申告するか優良な電子帳簿保存をしている
- 55万円:複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を付けて期限内に紙で申告している(e-Taxも電子帳簿保存もしていない)
- 10万円:簡易な記帳の場合、または期限に遅れて申告した場合
控除は、事業の黒字の範囲までしか引けません。
減価償却
10万円以上の物は、買った年に全額を経費にせず、耐用年数で分けて経費にします。この計算は、2007年4月1日以後に取得した資産の定額法・定率法(200%定率法)です(国税庁 No.2106)。償却率・改定償却率・保証率は、耐用年数省令の別表第八・別表第十の値です。
- 定額法:毎年の償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率。使い始めた年は月割り(使い始めた月も1か月と数えます)
- 定率法:償却費 = 年のはじめの残り × 定率法の償却率。この額が「取得価額×保証率」より少なくなった年からは、その年のはじめの残りに改定償却率をかけた額で毎年同じ額を償却します。個人は届出をしないと定額法です
- 全額その年の経費:10万円未満の物、または青色申告の中小企業者が2026年4月1日以後に取得した40万円未満(3月31日までの取得は30万円未満)の物(年300万円まで)。この計算は条件を確かめ、外れた行は0円にして画面でお知らせします
- 一括償却(3年):10万円以上20万円未満の物を、3年間で3分の1ずつ経費にするやり方(月割りはしません)。3年目は端数を足して、取得価額の全額が経費になるようにしています
事業に使う割合は「減価償却する資産の事業に使う割合」の欄でまとめて指定します(入力の表を4列に近づけるため、列から外しました)。
おもな耐用年数は次のとおりです。
- 普通自動車:6年
- 軽自動車:4年
- バイク:3年
- パソコン:4年
- カメラ・複写機:5年
- エアコン・冷蔵庫:6年
- 金属製の事務机:15年
- 木造の店舗・住宅:22年
償却費の1円未満は、国税庁の確定申告書等作成コーナーと同じく切り上げています。残りが1円(備忘価額)になるまで償却します。中古資産の簡便法と、2007年3月31日以前に取得した資産(旧定額法・旧定率法)は入れていません。
家事按分
経費にできる額 = 1年に払った額 × 事業に使う割合(1円未満切り捨て)
家賃・電気代・通信費など、家と仕事の両方に使うものは、仕事に使っている分だけを経費にします。割合は、使った面積・時間・日数など、あとから説明できる基準で決めます。
事業専従者
青色申告と白色申告で制度が違い、どちらか一方だけです。青色申告の人は事業専従者控除を受けられず、白色申告の人は専従者給与を必要経費にできません(国税庁 No.2075)。
- 青色事業専従者給与(青色申告の人):届出をした範囲で、実際に払った給与の全額を必要経費にできます
- 事業専従者控除(白色申告の人):配偶者は86万円、配偶者以外は1人50万円が上限で、さらに「この控除の前の事業所得 ÷(専従者の数+1)」より多くはできません
どちらの場合も、専従者になった本人は同一生計配偶者・扶養親族になれません(所得税法2条1項33号)。配偶者が専従者なら配偶者控除・配偶者特別控除を受けられず、配偶者以外が専従者なら、その人数だけ扶養控除の人数が減ります。この計算では、専従者の人数を「一般(16〜18歳・23〜69歳)→70歳以上→同居の親・祖父母→19〜22歳」の順に差し引いています。専従者は学生でないのが原則のため、19〜22歳を最後にしています。専従者でない家族の配偶者控除・扶養控除はそのまま受けられます。
青色事業専従者給与を入れたのに専従者の人数の欄が空のときは、配偶者がいれば配偶者1人、いなければ配偶者以外1人として扱い、画面でお知らせします。
おもな所得控除の計算
- 基礎控除…合計所得金額489万円以下は104万円、489万円超655万円以下は67万円、655万円超2,350万円以下は62万円(令和8年分・令和9年分の上乗せを含む)
- 給与所得控除…最低74万円(令和8年分・令和9年分)
- 社会保険料控除…国民健康保険料・国民年金保険料・付加保険料・国民年金基金・給与から引かれた分の合計(払った全額)
- 小規模企業共済等掛金控除…小規模企業共済・iDeCoの掛金の全額
- 医療費控除…(支払った医療費 − 保険金などで戻った額)−(10万円と総所得金額等の5%の低いほう)、最高200万円
- 寄附金控除…(寄附金と総所得金額等の40%の低いほう)− 2,000円
- 生命保険料控除…最高12万円。地震保険料控除…最高5万円
- 配偶者控除…配偶者の合計所得62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)で最高38万円(70歳以上は48万円)。配偶者特別控除…配偶者の合計所得62万円超133万円以下
- 扶養控除…一般38万円、19〜22歳は63万円、70歳以上は48万円、同居の親・祖父母は58万円
- ひとり親35万円・寡婦27万円…本人の合計所得金額500万円以下が要件(国税庁 No.1171・No.1170)
- 勤労学生27万円…合計所得金額890,000円以下(給与収入だけなら1,630,000円以下)で、勤労によらない所得が10万円以下の人だけ(国税庁 No.1175)
- 障害者27万円、特別障害者40万円、同居の特別障害者75万円。「そのうち特別障害者」「そのうち同居している特別障害者」は内数なので、「障害者の人数」の範囲に収めて計算します
- 所得金額調整控除(給与所得と公的年金等の雑所得の両方がある人)…
min(給与所得, 10万円) + min(年金の雑所得, 10万円) − 10万円を給与所得から引きます(国税庁 No.1411)
19〜22歳の家族がいるとき(扶養控除と特定親族特別控除)
19歳以上23歳未満の家族は、その人の合計所得金額で受けられる控除が変わります。「19〜22歳の家族の合計所得金額(1人1行)」の欄に、1人ずつ入れてください。空のままなら0円として、これまでどおり扶養控除63万円で計算します。
- 合計所得62万円以下(給料だけなら年収1,360,000円以下)…特定扶養親族の扶養控除63万円(第一表㉓)
- 62万円超123万円以下(年収136万円超197万円以下)…特定親族特別控除(第一表㉔)。額は下の表のとおり、所得が増えるほど下がります
- 123万円超…どちらも受けられません
特定親族特別控除は、生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で、扶養控除の対象にならない人1人ごとに受けられます。令和8年12月1日施行で、令和8年分から今の区分になりました。
| 19〜22歳の家族の合計所得金額 | 給料だけの場合の年収 | 特定親族特別控除の額 |
|---|---|---|
| 62万円超85万円以下 | 136万円超159万円以下 | 630,000円 |
| 85万円超90万円以下 | 159万円超164万円以下 | 610,000円 |
| 90万円超95万円以下 | 164万円超169万円以下 | 510,000円 |
| 95万円超100万円以下 | 169万円超174万円以下 | 410,000円 |
| 100万円超105万円以下 | 174万円超179万円以下 | 310,000円 |
| 105万円超110万円以下 | 179万円超184万円以下 | 210,000円 |
| 110万円超115万円以下 | 184万円超189万円以下 | 110,000円 |
| 115万円超120万円以下 | 189万円超194万円以下 | 60,000円 |
| 120万円超123万円以下 | 194万円超197万円以下 | 30,000円 |
給料だけの場合の合計所得は「年収 − 給与所得控除(最低740,000円)」です。年末調整では「給与所得者の特定親族特別控除申告書」に書きます。
住民税にも特定親族特別控除があり、上限は45万円ですが、区分ごとの額を載せた公的な表を確認できなかったので、住民税の目安には入れていません。合計所得が62万円を超える家族がいると、その分だけ住民税は実際より多めに出ます。住んでいる市区町村に確認してください。
雑損控除と災害減免法
災害・盗難・横領で住宅や家財に損害を受けたときは、雑損控除(所得から差し引く)と災害減免法(所得税そのものを減らす)のどちらか一方を選びます。この計算は、両方の額を並べて出します。どちらが得かは決めつけません。所得やほかの控除、翌年以後の繰り越しで変わるので、税務署に確認してください。
雑損控除(第一表㉗)は、次の2つのうち多いほうです(国税庁 No.1110)。
- 式1…
(損害金額 + 災害関連支出 − 保険金など)−(総所得金額等)× 10% - 式2…
(災害関連支出 − 保険金など)− 5万円
対象になるのは、生活に通常必要な資産です。別荘、ゴルフ会員権、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・書画・骨とうなどは対象になりません。原因は、震災・風水害・冷害・雪害・落雷などの自然現象、火災や火薬類の爆発などの人為による異常な災害、害虫などの生物による異常な災害、盗難、横領です。詐欺や恐喝は対象になりません。総所得金額等より多くて引き切れないときは翌年以後3年間繰り越せますが、この計算に繰り越しは入れていません。
災害減免法(第一表㊸)は、住宅や家財の損害(保険金などで補てんされる部分を除く)が時価の2分の1以上で、その年の所得の合計が1,000万円以下のときに選べます(国税庁 No.1902)。
| その年の所得金額の合計 | 軽減または免除される所得税 |
|---|---|
| 500万円以下 | 所得税の全額 |
| 500万円超750万円以下 | 所得税の2分の1 |
| 750万円超1,000万円以下 | 所得税の4分の1 |
災害減免額は、差引所得税額(第一表㊷)から引いて基準所得税額(第一表㊹)を出し、復興特別所得税はそのあとの額にかかります。災害減免法は所得税だけの制度です。住民税には災害減免法がなく、雑損控除の計算式は所得税と同じなので、この計算の住民税の目安はどちらを選んだ場合も雑損控除で出しています。市区町村ごとの減免はこの計算に入れていません。
消費税(課税事業者の人だけ)
売上を税込みとして、3つのやり方を比べます。本則課税の仕入税額控除に使うのは課税仕入れだけです。給料・専従者給与・保険料・租税公課・減価償却費は課税仕入れになりません(減価償却資産は、買った年の取得価額が課税仕入れです)。この計算は、経費の内訳から「租税公課・税金・保険・給料・給与・賃金・人件費・専従者・法定福利・社会保険・減価償却・支払利息・利子・寄附」を含む費目を外します。そのうえで、家事按分とそのほかの経費を足した額を自動で使います。正しい額がわかるときは「課税仕入れの合計(税込)」の欄に入れてください。
- 2割特例…売上の消費税 × 20%。インボイスの登録で免税事業者から課税事業者になった人が使えます。2026年9月30日までの日を含む課税期間までなので、個人事業者は2026年分が最後です
- 簡易課税…売上の消費税 − 売上の消費税 × みなし仕入率(第1種90%・第2種80%・第3種70%・第4種60%・第5種50%・第6種40%)。2年前の課税売上高が5,000万円以下で、届出をした人が使えます
- 本則課税…売上の消費税 − 仕入れ・経費の消費税
税込みの売上を税抜きに直し(×100/110)、1,000円未満を切り捨てて7.8%をかけたものが国の消費税です。地方消費税は、国の消費税(100円未満切り捨て)× 22/78 で100円未満切り捨てです。軽減税率8%の売上・仕入れは、この計算に入れていません。消費税の申告と納付の期限は2027年3月31日です。
売上と経費を税込みで入れている(税込経理方式)ので、納める消費税等は、払った年の必要経費(租税公課)になります。この計算の事業所得には入れていません(国税庁 No.6375)。
個人事業税(都道府県税)
個人事業税 =(事業所得(青色申告特別控除を適用する前)− 事業主控除290万円)× 税率
個人事業税は、都道府県が課税する税です(地方税法72条の2)。市区町村の住民税とは別で、8月(第1期・納期限8月31日)と11月(第2期・納期限11月30日)の2回に分けて納めます。確定申告か住民税の申告をすれば個人事業税の申告はいらず、申告書第二表の「事業税に関する事項」に書きます。
- 青色申告特別控除は使えません。所得税で引いた青色申告特別控除は、個人事業税の課税標準(税率をかけるもとになる金額のこと)に足し戻します
- 事業主控除は年290万円。開業・廃業などで事業を行った月数が12か月に足りないときは月割りです(290万円×月数÷12の1,000円未満を切り上げ。1か月242,000円〜12か月2,900,000円)
- 法定業種にだけかかります。第1種事業(物品販売業・製造業・請負業・飲食店業・運送業など37業種)は5%です。第2種事業(畜産業・水産業・薪炭製造業の3業種)は4%、第3種事業(30業種)は5%です。ただし、あんま・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業と装蹄師業は3%です。システムエンジニア・プログラマー・ライター・通訳などは法定業種に当たらないとされることがあり、その場合はかかりません。判断は都道府県税事務所に確かめてください
- 課税標準は1,000円未満切り捨て、税額は100円未満切り捨てです(地方税法20条の4の2)
- 白色申告の事業専従者控除と青色事業専従者給与は、個人事業税でも同じ額を引きます
- 納めた個人事業税は、払った年の所得税の必要経費(租税公課)になります
この計算に入れていないもの:
- 損失の繰越控除(青色申告者は3年間繰り越せます)
- 被災事業用資産の損失
- 事業用資産の譲渡損失
- 不動産貸付業・駐車場業の所得(規模の基準で法定業種になるかどうかが決まります)
- 社会保険診療報酬などの非課税所得の区分計算
- 都道府県ごとの取扱いの違い
住民税の目安
住民税は、所得割(住民税用に計算し直した課税所得の10%)から調整控除を引いた額がもとになります。そこに均等割(所得に関係なく定額でかかる部分のこと。5,000円で、内訳は市町村民税3,000円+道府県民税1,000円+森林環境税1,000円)を足したものです。
住民税の所得控除は所得税より少なく、次の額が上限です。
- 基礎控除:43万円
- 配偶者控除:33万円(70歳以上38万円)
- 扶養控除:33万円(19〜22歳45万円、70歳以上38万円、同居老親45万円)
- 障害者控除:26万円(特別30万円、同居特別53万円)
- ひとり親:30万円
- 寡婦:26万円
- 勤労学生:26万円
- 生命保険料控除:7万円
- 地震保険料控除:2.5万円
生命保険料控除・地震保険料控除は、所得税の控除額をそのまま上限で切って使っているので、実際と少しずれることがあります。調整控除の人的控除の差は、ひとり親は母5万円・父1万円で計算しています。市区町村の上乗せは入れていません。2026年(令和8年)の所得にかかる住民税は、令和9年度分として2027年6月ごろに通知が届きます。
所得割からは、さらに次の2つを引いています。
- 住宅ローン控除…所得税から引ききれなかった額のうち、
所得税の課税総所得金額等 × 5%(最高97,500円)まで(総務省)。消費税8%・10%で取得して平成26年4月〜令和3年12月に住んだ場合などは7%・最高136,500円になりますが、この計算は5%・97,500円で出しています - ふるさと納税…「そのうちふるさと納税」の欄に入れた額から、
基本分 =(寄附額 − 2,000円)× 10%、特例分 =(寄附額 − 2,000円)×(90% − 所得税の税率 × 1.021)を引きます。特例分は所得割額の20%が上限で、寄附額は総所得金額等の30%までです(総務省)。所得税の税率は速算表の率を使っているので、上限に近い寄附では実際と少しずれることがあります
非課税限度額は、均等割が「35万円×人数+10万円(同一生計配偶者か扶養親族がいれば+21万円)」、所得割が「35万円×人数+10万円(同じ場合に+32万円)」です(総務省)。どちらも下回るときは0円にしています。
翌年の国民健康保険料・国民年金保険料の目安
国民健康保険料は、前の年の所得で決まります。ここでは東京23区の統一保険料の令和8年度の料率で、加入者1人・軽減なしとして計算した目安を出しています。令和9年度の料率はまだ公表されていないので、令和8年度の料率を使っています。市区町村で料率が違うので、実際の額は国民健康保険料の計算で確かめてください。国民年金保険料は、2027年1月〜12月に毎月払うと、令和8年度(1〜3月)17,920円×3か月+令和9年度(4〜12月)18,290円×9か月で218,370円です。
申告と納付の期限(令和8年分)
- 所得税の申告と納付…2027年2月16日(火)から3月15日(月)まで
- 消費税の申告と納付…2027年3月31日まで
- 延納…3月15日までに納める税金の2分の1以上を納めれば、残りは2027年5月31日(月)まで延ばせます(利子税がかかります)
- 予定納税…前の年の予定納税基準額が15万円以上の人は、令和8年の7月と11月に前払いしています。その合計を「予定納税額」に入れます
- 還付だけの申告は、2月15日以前でも出せます
この計算に入れていないこと(前提)
- 株式・土地建物の譲渡所得、申告分離課税を選んだ配当、退職所得、山林所得(確定申告書第三表を使うもの)
- 外国税額控除、政党等寄附金等特別控除、住宅耐震改修特別控除
- 住民税の特定親族特別控除(上限45万円ですが、区分ごとの額を公式の表で確かめられなかったので入れていません。所得税の特定親族特別控除は入れています)
- 雑損控除で引き切れなかった損失の翌年以後3年間への繰り越し
- 前の年から繰り越した損失、変動所得・臨時所得の平均課税
- 給与収入850万円超で23歳未満の扶養親族などがいる場合の所得金額調整控除(給与と年金の両方がある人の調整控除は入れています)
- 棚卸資産(期首・期末の在庫)。売上から引く売上原価は、経費に入れた額で計算しています
- 中古資産の耐用年数の簡便法、2007年3月31日以前に取得した資産の償却
- 国民健康保険料の軽減(7割・5割・2割)と、市区町村ごとの独自の減免
- 軽減税率8%の売上・仕入れ、消費税の中間申告
- 納める消費税の必要経費(租税公課)算入。税込経理なので本当は経費になりますが、この計算の事業所得には入れていません
- 納めた個人事業税の必要経費(租税公課)算入。翌年の経費になります
- 住民税の住宅ローン控除のうち、7%・最高136,500円になる場合(消費税8%・10%で取得して令和3年12月までに住んだ場合など)
- 個人事業税の損失の繰越控除、不動産貸付業・駐車場業の所得、都道府県ごとの取扱いの違い
これらがある人は、この計算の額とずれます。国税庁の確定申告書等作成コーナーで作ると、まちがいがありません。
検算
国税庁の令和8年分の年末調整の設例(給与897万円)の各段階を、この計算と同じ式でたどりました。給与所得702万円・所得金額調整控除4万7,000円・所得控除の合計482万6,102円・課税所得214万6,000円・所得税11万7,100円・住宅ローン控除のあと4万600円まで、1円まで同じになることを確かめています。所得税の速算表の例(課税所得700万円 → 97万4,000円)とも同じ結果になります。復興特別所得税の端数の切り捨ては、国税庁の確定申告の手引きの例(基準所得税額17万6,500円 × 2.1% = 3,706円)で確かめました。減価償却は、国税庁 No.2106 の例(取得価額300万円・耐用年数6年・定額法・4月から使用)の初年度37万5,750円と同じ値になります。
出典:国税庁 確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分)、国税庁 確定申告書 第一表(令和七年分以降用)、国税庁 所得税青色申告決算書(一般用)、国税庁 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き(令和7年分)、国税庁 No.2260 所得税の税率、国税庁 No.1199 基礎控除、国税庁 No.1410 給与所得控除、国税庁 No.2072 青色申告特別控除、国税庁 No.2106 定額法と定率法による減価償却、e-Gov法令 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(別表第八・第十)、国税庁 No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除、国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき、国税庁 No.1150 一定の寄附金を支払ったとき、国税庁 No.1140 生命保険料控除、国税庁 No.1145 地震保険料控除、国税庁 No.1490 一時所得、国税庁 No.1250 配当控除、国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係、国税庁 No.6505 簡易課税制度、国税庁 No.6451 仕入税額控除の対象となるもの、国税庁 No.6375 税抜経理方式・税込経理方式による経理処理、国税庁 No.1171 ひとり親控除、国税庁 No.1170 寡婦控除、国税庁 No.1175 勤労学生控除、国税庁 No.1411 所得金額調整控除、国税庁 No.1177 特定親族特別控除、国税庁 No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)、国税庁 No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除、国税庁 No.2100 減価償却のあらまし(少額減価償却資産・一括償却資産)、総務省 個人事業税、東京都主税局 個人事業税(税率・事業主控除・納期)、大阪府 個人事業税(青色申告特別控除は適用がない)、e-Gov法令 地方税法(第20条の4の2 端数計算・第72条の2 事業税)、総務省 所得税から住宅ローン控除額を引ききれなかった方(個人住民税の住宅ローン控除)、総務省 ふるさと納税のしくみ(税額控除額の計算方法)、国税庁 令和8年分 年末調整の設例、国税庁 「社会保険料等の金額」欄(法定調書の手引)、日本年金機構 国民年金保険料、総務省 個人住民税
よくある質問
個人事業主は確定申告でいくら税金を払う?
売上800万円・経費300万円・青色申告特別控除65万円の人(国民健康保険料40万円・国民年金213,810円)の場合です。事業所得は4,350,000円、課税される所得金額は2,696,000円で、所得税は175,700円です。このほかに住民税と、課税事業者なら消費税がかかります。
青色申告65万円と白色申告で、税金はどれだけ違う?
青色申告特別控除65万円を受けると、その分だけ課税される所得金額が減ります。所得税の税率が10%の人なら、所得税が約6万6,000円(復興特別所得税を含む)、住民税が6万5,000円減り、あわせて13万円ほど安くなります。65万円を受けるには、複式簿記で記帳し、貸借対照表を付けて期限内に申告し、さらに e-Tax で出すか優良な電子帳簿保存をする必要があります。
個人事業税はいくらかかる?いつ払う?
(事業所得 − 事業主控除290万円)× 税率です。事業所得は青色申告特別控除を引く前の額で、個人事業税では青色申告特別控除が使えません。税率は第1種事業5%、第2種事業4%、第3種事業5%(あんま・はり・きゅう・柔道整復などは3%)です。売上800万円・経費300万円の人(事業所得500万円)が第1種事業なら、(500万円−290万円)×5%=10万5,000円になります。都道府県の税で、8月と11月の2回に分けて納めます。事業所得が290万円以下なら0円です。法定業種に当たらない事業(システムエンジニア・ライターなどとされることがあります)にはかかりません。
令和8年分の確定申告はいつからいつまで?
2027年2月16日(火)から3月15日(月)までです。所得税の納付の期限も3月15日です。消費税の申告と納付は3月31日までです。還付だけの申告は、2月15日以前でも出せます。
確定申告書のどの欄に書けばいい?
この計算の結果の表に、金額ごとの欄の番号を出しています。事業の売上は第一表の㋐、事業所得は①です。所得の合計は⑫、所得控除の合計は㉚、課税される所得金額は㉛です。納める税金は㊿から予定納税額を引いた第3期分(納めるなら52、戻るなら53)になります。
パソコンや車はいつ経費になる?
10万円未満なら買った年に全額が経費です。10万円以上は減価償却で、耐用年数(パソコン4年・普通自動車6年・軽自動車4年)に分けて経費にします。10万円以上20万円未満は3年間で3分の1ずつにもできます。青色申告の中小企業者は、2026年4月1日以後に取得した40万円未満の物を、年300万円までその年に全額経費にできます。
家賃や電気代はどこまで経費にできる?
家と仕事の両方に使うものは、仕事に使っている分だけを経費にします(家事按分)。割合は、仕事に使う部屋の面積や、使う時間・日数など、あとから説明できる基準で決めます。この計算では、払った額と割合を入れると自動で計算します。
会社員でも確定申告したほうがいい?
年末調整では受けられない控除がある人は、確定申告をすると税金が戻ります。医療費控除、寄附金控除(ふるさと納税でワンストップ特例を使わなかった場合)、住宅ローン控除の1年目、雑損控除がこれにあたります。2か所以上から給与をもらっている人や、給与以外の所得が20万円を超える人は、確定申告が必要です。
納める税金を分けて払える?
延納できます。3月15日までに納める税金の2分の1以上を納めれば、残りは2027年5月31日まで延ばせます。申告書第一表の「延納の届出」欄に、期限までに納付する金額と延納届出額を書きます。延納している間は利子税がかかります。