役員報酬の額を変えられる期限と、役員賞与の届出の期限
事業年度の始まりの日と、株主総会で決めた日を入れると、2つの期限を日付で出します。1つは、毎月同じ額の役員報酬(定期同額給与)を変えられる期限です。もう1つは、役員賞与を経費にするための届出(事前確定届出給与に関する届出書)の期限です。
くわしい条件を変える(なくても計算できます)
役員報酬と役員賞与を決めるまでの手順
- 期の始めから3か月以内 株主総会か取締役会で、毎月払う役員報酬の額を決めて議事録に残す
- 同じ総会で 役員賞与を出すなら、支給する時期と額を決めて議事録に残す
- 決議から1か月以内 事前確定届出給与に関する届出書を税務署へ出す(期の始めから4か月が先ならその日まで)
- 支給日 届け出た時期に届け出た額をそのまま払い、振込の記録を残す
会計監査人を置いて申告期限を延ばしている会社は月数が変わります。税務署の窓口で確認してください
計算方法
役員報酬を変えられる期限 = 会計期間の始まりの日から3か月を経過する日
役員賞与の届出の期限 = 株主総会の決議の日から1か月を経過する日と、会計期間の始まりの日から4か月を経過する日のうち早い日
例:4月1日に始まる事業年度で、6月25日の株主総会で決めたなら、役員報酬を変えられるのは6月30日まで、届出の期限は7月25日です。
3つの給与のかたち(法人税法34条1項)
| かたち | 決まり |
|---|---|
| 定期同額給与 | 1か月以下の期間ごとに同じ額を払う給与。額を変えるのは会計期間の始まりの日から3か月を経過する日まで |
| 事前確定届出給与 | 決まった時期に決まった額を払う給与。あらかじめ税務署に届け出る |
| 業績連動給与 | 有価証券報告書を出す会社などが使えるかたち |
このどれにも当たらない給与は、会社の経費になりません。
「経過する日」の数え方
会計期間の始まりの日や設立の日から数えるものは、その日を1日目として数え、何か月後の同じ日付の前の日で終わります。4月1日から3か月なら6月30日、4か月なら7月31日です。設立の日以後2か月なら、10月1日設立で11月30日です。
株主総会の決議の日から数えるものは、次の日から数えます。6月25日の決議なら、1か月を経過する日は7月25日です。
期限が休みの日に当たるとき
届出の期限が土曜日・日曜日・祝日・12月29日から1月3日までに当たるときは、次の開いている日が期限になります(国税通則法10条2項、同法施行令2条2項)。毎月同じ額の役員報酬を変えられる期限は、書類を出す期限ではないため日をずらしません。
あとから変えるとき
役員が病気などで職務の内容が大きく変わる臨時改定事由が起きたときは、その日から1か月を経過する日までに届け出ます。届け出た内容を変えるときの期限も決まっています。臨時改定事由ならその日から1か月を経過する日までです。業績が悪くなったことによる変更なら、変更を決めた株主総会の決議の日から1か月を経過する日までです(法人税法施行令69条5項)。ただし業績が悪くなったことによる変更は、支給額を減らす場合などに限られます。
入れていないもの
会計監査人を置いて申告期限を3か月以上延ばしている会社の月数、グループ通算をしている会社の決まり、業績連動給与の要件は入れていません。
出典:e-Gov法令検索 法人税法 第34条(役員給与の損金不算入)、e-Gov法令検索 法人税法施行令 第69条(定期同額給与の範囲等)、e-Gov法令検索 国税通則法 第10条(期間の計算及び期限の特例)、e-Gov法令検索 国税通則法施行令 第2条(期限の特例)、内閣府 国民の祝日について(祝日の一覧)
よくある質問
役員報酬は期の途中で変えられない?
毎月同じ額にする定期同額給与として経費にするには、会計期間の始まりの日から3か月を経過する日までに変えます。それより後に増やした分は経費になりません。役員が病気になったなどの臨時改定事由や、業績が悪くなったことによる減額は、期の途中でもできます。
役員に賞与を出すには何が必要?
決まった時期に決まった額を払う旨をあらかじめ税務署に届け出ます(事前確定届出給与に関する届出書)。期限は、株主総会の決議の日から1か月を経過する日と、会計期間の始まりの日から4か月を経過する日のうち早い日です。届け出た額と違う額を払うと経費になりません。
届出をしないで役員に賞与を払ったらどうなる?
その賞与は会社の経費になりません。役員にとっては給与として所得税と社会保険料がかかるため、会社と役員の両方で負担が重くなります。