離婚時の年金分割の計算
離婚したとき、婚姻期間中の厚生年金の記録を二人で分けられます。合意分割と3号分割の2つがあり、按分割合(二人で分ける割合のこと)の上限は0.5(50%)です。情報通知書に載っている「対象期間標準報酬総額」を入れると、分けたあとの持分と、年金の増え方の目安がわかります。
くわしい条件を変える(なくても計算できます)
計算方法
分けたあとの持分 = 二人の対象期間標準報酬総額の合計 × 按分割合
例:相手6,000万円、自分1,000万円(合計7,000万円)で按分割合50%なら、分けたあとはどちらも3,500万円。自分に2,500万円分の記録が移ります。年金にすると1年あたり約13万7,000円の目安です。
按分割合の決められる範囲
按分割合は、二人の標準報酬合計額のうち、分割を受ける側(対象期間標準報酬総額が少ないほうの人。第2号改定者といいます)の持分の割合です。上限は50%で、それを超えることはできません。下限は、分ける前の第2号改定者の持分割合です。分ける前より持分が減らないように、また相手の持分を超えないように決めます。
合意分割と3号分割
| 種類 | 対象 | 合意 |
|---|---|---|
| 合意分割 | 2007年4月1日以後の離婚。婚姻期間中の厚生年金の記録 | 要る |
| 3号分割 | 2008年4月1日以後の、第3号被保険者だった期間 | 要らない(2分の1) |
実際の額は情報通知書が必要です
このページの金額は、情報通知書に書かれた「対象期間標準報酬総額」を入れて計算した目安です。年金事務所に「年金分割のための情報提供請求書」を出すと、「年金分割のための情報通知書」がもらえます。そこには、対象になる期間、二人それぞれの対象期間標準報酬総額、按分割合の決められる範囲が書かれています。離婚の前でも請求できます。受け取っただけでは分割されないので、あらためて「標準報酬改定請求書」を出す必要があります。
分けられないもの
分けられるのは厚生年金の報酬比例部分だけです。国民年金の老齢基礎年金は分けられません。自営業で国民年金だけの期間も対象外です。
請求の期限
離婚などをした日の翌日から5年以内です。2026年(令和8年)4月1日より前に離婚した場合は2年以内です。
出典:日本年金機構 離婚時の厚生年金の分割(合意分割制度)、日本年金機構 離婚時の厚生年金の分割(3号分割制度)、日本年金機構 離婚時の年金分割について(パンフレット)、日本年金機構 は行 報酬比例部分(老齢厚生年金の計算式)
よくある質問
年金分割で半分もらえますか?
按分割合の上限は50%なので、多くても二人の記録の合計の半分までです。分けられるのは婚姻期間中の厚生年金の記録だけで、相手の年金額そのものが半分になるわけではありません。
専業主婦だった期間はどうなりますか?
2008年4月1日以後に第3号被保険者だった期間は、3号分割で自動的に2分の1に分けられます。相手の合意は要りません。それより前の期間は、合意分割で話し合って決めます。
年金分割の期限はいつまでですか?
離婚などをした日の翌日から5年以内です。2026年(令和8年)4月1日より前に離婚した場合は2年以内なので、早めに年金事務所で確かめてください。
いくら増えるか知るにはどうすればいいですか?
年金事務所に「年金分割のための情報提供請求書」を出して、「年金分割のための情報通知書」をもらいます。対象になる期間、二人それぞれの対象期間標準報酬総額、按分割合の決められる範囲が書かれています。離婚の前でも請求できます。
自営業の相手とは年金分割できますか?
できません。分けられるのは厚生年金の記録だけなので、相手が国民年金だけの期間は対象外です。
基礎年金も分けられますか?
分けられません。分割の効果は厚生年金の報酬比例部分だけで、国民年金の老齢基礎年金には影響しません。