すみ肉溶接の強度の計算
溶接のサイズ(脚長)と長さ、許容応力を入れると、理論のど厚、有効長さ、有効断面積と、その溶接で受けられる荷重を計算します。かける荷重を入れると、溶接部に生じる応力と、許容応力に対する割合もわかります。
くわしい条件を変える(なくても計算できます)
計算方法
理論のど厚 = サイズ(脚長)× 0.7、有効長さ = 溶接の長さ − サイズ × 2、有効断面積 = のど厚 × 有効長さ × 箇所の数
受けられる荷重 = 許容応力 × 有効断面積、生じる応力 = 荷重 ÷ 有効断面積
例:サイズ6mm、長さ100mmを1か所、許容応力90ニュートン/平方ミリメートルとします。のど厚は4.2mm、有効長さは100 − 12 = 88mm、有効断面積は369.6平方ミリメートルです。受けられる荷重は90 × 369.6 = 33,264ニュートン(約33.3キロニュートン)になります。
のど厚の0.7という数字は、直角のすみ肉溶接の断面が直角二等辺三角形になることから出ます。斜辺までの高さは、サイズを2の平方根で割った値(約0.707倍)です。
有効長さは、溶接の始めと終わりで断面が小さくなる分を引いて「長さ − サイズ × 2」とするのが建築の一般的な扱いです。引かない基準もあるので、引く長さは0にもできます。
許容応力の初期値90ニュートン/平方ミリメートルは目安です。材料の種類、長期と短期の区別、溶接の種類で変わります。設計に使うときは規格と設計基準を確認してください。ここではのど断面に荷重が均一にかかると考えているので、曲げやねじりが加わるときは別に計算が必要です。
出典:式の定義:理論のど厚は「サイズ ÷ 2の平方根(約0.7倍)」、有効断面積は「のど厚 × 有効長さ × 箇所の数」、応力は「荷重 ÷ 有効断面積」です。直角二等辺三角形の高さと、応力の定義(力を断面積で割ったもの)から決まる式で、公的な基準ではありません。許容応力の値は使う材料の規格と設計基準で確かめてください。
よくある質問
すみ肉溶接のど厚はなぜ0.7倍?
直角のすみ肉溶接の断面は直角二等辺三角形になります。その斜辺までの高さは、サイズを2の平方根(約1.414)で割った値で、約0.707倍になるからです。
有効長さでサイズの2倍を引くのはなぜ?
溶接の始めと終わりでは、のど断面が設計どおりの大きさになりません。その分を安全側に見て、両端でサイズ1つ分ずつ、合わせてサイズの2倍を引きます。引かない基準もあります。
溶接のサイズは板の厚さより大きくできる?
ふつうは薄いほうの板の厚さまでにします。サイズを大きくしすぎると、熱が入りすぎて母材が変形したり、強度が落ちたりします。
許容応力はいくらにすればよい?
使う材料の規格と、適用する設計基準で決まります。初期値の90ニュートン/平方ミリメートルは目安です。長期と短期、材料の種類で変わるので、設計に使うときは基準を確認してください。
溶接の長さが短いと計算できない?
有効長さが0以下になると計算できません。長さがサイズの2倍以下だと、有効長さが残らないためです。溶接を長くするか、箇所を増やしてください。
キロニュートンは何キログラムの力?
1キロニュートンは約102キログラム重です。9.80665で割るとキログラム重になります。33.3キロニュートンなら約3.4トンの力です。