フレックスタイム制の清算(過不足と時間外)
清算期間の日数と決められた総労働時間、実際に働いた時間を入れると、時間外になる時間と追加で払われる賃金を出します。足りなかったときの扱いもわかります。
くわしい条件を変える(なくても計算できます)
| その月の暦の日数(日) | その月に働いた時間(時間) |
|---|
計算方法
法定労働時間の総枠 = 1週間の法定労働時間 × 清算期間の暦の日数 ÷ 7
例:暦の日数が30日なら、40時間 × 30日 ÷ 7 = 171.4時間が総枠です。決められた総労働時間が160時間で、実際に175時間働いたなら、総枠を超えた3.6時間が時間外労働になります。総労働時間は超えたが総枠の中にある11.4時間は、割増のない賃金で払われます。
清算期間の暦の日数と総枠
| 暦の日数 | 40時間の総枠 | 44時間の総枠 |
|---|---|---|
| 28日 | 160.0時間 | 176.0時間 |
| 29日 | 165.7時間 | 182.3時間 |
| 30日 | 171.4時間 | 188.6時間 |
| 31日 | 177.1時間 | 194.9時間 |
働いた時間が多かったとき
総枠を超えた分は時間外労働で、25%以上の割増が必要です。超えた分を次の清算期間の労働時間に充てることはできません。その期間の労働の対価がその期間の賃金支払日に払われないことになり、賃金の全額払いに反するためです。
働いた時間が足りなかったとき
2つの方法があります。ひとつは不足分に相当する賃金を引く方法、もうひとつは不足分を次の清算期間に繰り越して清算する方法です。繰り越すときは、繰り越した時間を足した次の清算期間の労働時間が、法定労働時間の総枠に収まる必要があります。
清算期間が1か月を超えるとき
清算期間は3か月以内です。1か月を超える場合は、清算期間を開始の日から1か月ごとに区切り、各期間で1週間あたりの労働時間が50時間を超えた分も、その月の時間外労働になります(労働基準法32条の3第2項)。
フレックスタイム制を入れるには、就業規則で始業と終業の時刻を働く人にゆだねることを定めます。そのうえで、労使協定で対象になる人の範囲・清算期間・清算期間の総労働時間・標準となる1日の労働時間を決めます。清算期間が1か月を超えるときは、労使協定を労働基準監督署に届け出ます。
出典:労働基準法 32条の3(e-Gov法令検索)、厚生労働省 労働時間に過不足が生じた場合について、厚生労働省 フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き、労働基準法施行規則 25条の2(e-Gov法令検索)
よくある質問
フレックスタイム制でも残業代は出る?
出ます。清算期間の実際の労働時間が法定労働時間の総枠を超えた分が時間外労働になり、25%以上の割増が必要です。1日8時間を超えただけでは時間外になりません。
清算期間の総労働時間とは?
労使協定で決めた、清算期間に働くことになっている時間です。所定労働時間にあたります。法定労働時間の総枠の範囲内で決めます。
働きすぎた分は翌月に回せる?
回せません。超えた分はその清算期間の中で清算し、賃金として払う必要があります。翌月の労働時間に充てると、賃金の全額払いに反します。
働き足りなかった分はどうなる?
不足分の賃金を引く方法と、不足分を翌月に繰り越す方法があります。繰り越すときは、繰り越した時間を足しても法定労働時間の総枠に収まる必要があります。
清算期間は何か月まで?
3か月以内です。1か月を超える場合は、1か月ごとに区切った各期間で1週間あたり50時間を超えた分も、その月の時間外労働になります。
コアタイムは必ず決める?
決めなくても構いません。コアタイムがない「スーパーフレックス」もできます。決めるときは、労使協定でその開始と終了の時刻を定めます。