変形労働時間制の時間外労働の判定
期間の暦日数と実際に働いた時間を入れると、法定労働時間の総枠と、時間外労働になる時間を出します。1か月単位と1年単位のどちらにも対応し、1日ごと・1週ごと・期間の全体の3つの順番で数えます。
くわしい条件を変える(なくても計算できます)
計算方法
法定労働時間の総枠 = 1週間の法定労働時間 × 期間の暦日数 ÷ 7。1週40時間で31日なら 40 × 31 ÷ 7 = 177.14時間です。
例:31日の月に185時間働き、1日ごと・1週ごとの時間外がなかった場合、185 − 177.14 = 7.86時間が時間外労働になります。1時間あたりの賃金が2,000円なら、割増賃金は 19,642円です。画面の時間は小数第2位までで表示していますが、計算は丸めずに行っています。
時間外労働を数える3つの順番
- 1日ごと。1日8時間を超える時間を定めた日は、その定めた時間を超えた分。それ以外の日は、8時間を超えた分です
- 1週間ごと。1週40時間を超える時間を定めた週は、その定めた時間を超えた分。それ以外の週は、40時間を超えた分です(1で数えた時間は除きます)
- 期間の全体。法定労働時間の総枠を超えた分です(1と2で数えた時間は除きます)
期間の暦日数ごとの総枠
| 期間の暦日数 | 1週40時間のとき | 1週44時間のとき |
|---|---|---|
| 28日 | 160.00時間 | 176.00時間 |
| 29日 | 165.71時間 | 182.28時間 |
| 30日 | 171.42時間 | 188.57時間 |
| 31日 | 177.14時間 | 194.85時間 |
商業・映画演劇業・保健衛生業・接客娯楽業で、常に働く人が10人未満の職場は1週44時間まで認められています。
1か月単位の要件
労使協定または就業規則その他これに準ずるものにより、変形期間を1か月以内とし、起算日(数え始めの日)を定め、法定労働時間の総枠の範囲内で各日・各週の労働時間を特定します。労使協定で定めたときは、所轄の労働基準監督署長への届出が必要です。
1年単位の要件と限度
対象期間は1か月を超え1年以内です。労使協定で、対象労働者の範囲、対象期間、特定期間、労働日と労働日ごとの労働時間などを定め、届け出ます。次の限度があります。
| 見るところ | 限度 |
|---|---|
| 1日の労働時間 | 10時間 |
| 1週間の労働時間 | 52時間 |
| 労働時間が48時間を超える週を続けられる週数(対象期間3か月超) | 3週まで |
| 3か月ごとに区分した各期間で、48時間を超える週の初日の数(対象期間3か月超) | 3つまで |
| 労働日数(対象期間3か月超) | 1年あたり280日 |
| 続けて働かせられる日数 | 6日 |
| 特定期間に続けて働かせられる日数 | 1週間に1日の休日が確保できる日数 |
前の1年以内に対象期間3か月を超える協定があり、1日の最長を9時間または前の協定の最長より長くする、または1週の最長を48時間または前の協定の最長より長くする場合があります。この場合は、前の協定の労働日数から1日を減じた日数か280日の少ない方が限度になります。
気をつけること
時間外労働をさせるには36協定が必要です。満18歳未満の人は原則として変形労働時間制で働かせられません。妊産婦が請求した場合は1週40時間・1日8時間の範囲内にします。
所定労働時間の合計が総枠を超えている組み方は、法律の基準を超えています。労働基準監督署に相談できます。これは目安です。1日・1週の時間をどう定めたかで結果が変わります。
出典:労働基準法 32条・32条の2・32条の4(e-Gov法令検索)、労働基準法施行規則 12条の4(e-Gov法令検索)、厚生労働省 兵庫労働局 1か月単位の変形労働時間制、厚生労働省 兵庫労働局 1年単位の変形労働時間制、厚生労働省 静岡労働局 1か月単位の変形労働時間制をとる場合の時間外労働の考え方
よくある質問
変形労働時間制でも残業代は出る?
出ます。定めた時間を超えて働いた分と、法定労働時間の総枠を超えた分は時間外労働になり、割増賃金が必要です。
法定労働時間の総枠はどう計算する?
1週間の法定労働時間 × 期間の暦日数 ÷ 7 です。1週40時間なら、31日で177.14時間、30日で171.42時間、29日で165.71時間、28日で160.00時間です。
数える順番はなぜ大事?
同じ時間を二重に数えないためです。1日ごと、1週ごと(1日ごとの分を除く)、期間の全体(前の2つを除く)の順番で数えます。
1年単位では1日何時間まで働かせられる?
1日10時間、1週52時間までです。対象期間が3か月を超えるときは、48時間を超える週を続けられるのは3週までです。
1年単位の労働日数の上限は?
対象期間が3か月を超えるときは、1年あたり280日です。3か月以内なら日数の限度はありません。
所定労働時間が総枠を超えていたら?
その組み方は法律の基準を超えています。お住まいの地域の労働基準監督署に相談できます。シフト表や就業規則、タイムカードを用意しておくと話が進みやすくなります。