賃金計算の端数処理の計算
1か月の時間外労働と1時間あたりの賃金を入れると、認められた端数処理をしたあとの割増賃金と、端数処理をしない場合との差を出します。1日ごとの切り捨てとの違いもわかります。
計算方法
端数処理後の時間 = 1か月の合計のうち、1時間未満の端数が30分未満なら切り捨て、30分以上なら1時間に切り上げ
例:1か月の時間外労働が20時間40分なら、40分は30分以上なので21時間になります。20時間20分なら、20分は切り捨てて20時間です。
認められている端数処理
- 1か月の時間外労働・休日労働・深夜業のそれぞれの合計に1時間未満の端数があるとき、30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げる
- 1時間あたりの賃金額と割増賃金額に円未満の端数が出たとき、50銭未満は切り捨て、50銭以上は1円に切り上げる
- 1か月の割増賃金の合計に1円未満の端数が出たときも、同じ扱いにする
これは、昭和63年3月14日基発第150号(賃金計算の端数の取扱い)で示されている扱いです。
認められていない切り捨て
1日ごとに、15分未満や30分未満の労働時間を切り捨てるやり方は認められていません。毎日の労働時間は1分単位で数えて、1か月分を合計します。端数処理ができるのは、合計したあとの1時間未満の部分だけです。
賃金は全額を払う決まりです(労働基準法24条)。認められた範囲を超えた切り捨ては、この決まりに触れることがあります。
1か月で見るとどれくらい違うか
1日15分の切り捨てを月20日続けると、5時間分になります。1時間あたりの賃金が1,875円で25%の割増なら、2,343円 × 5時間 = 11,715円ほどの差になります。
タイムカードや勤務記録は、自分でも控えを取っておくと確かめやすくなります。気になるときは、勤め先の給与担当か、労働基準監督署の窓口で確認してください。
この計算は目安です。実際の計算のしかたは、就業規則や賃金規程で決まります。
出典:労働基準法 24条・37条(e-Gov法令検索)、厚生労働省 鹿児島労働局 時間外労働・休日労働・深夜労働、厚生労働省 愛知労働局 賃金計算の端数の取扱い(基発第150号)、厚生労働省 割増賃金の計算方法
よくある質問
残業時間の15分単位の切り捨ては認められる?
1日ごとの切り捨ては認められていません。毎日の時間は1分単位で数えます。
30分未満の切り捨てはいいの?
1か月の合計に1時間未満の端数があるときだけです。30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げられます。
1円未満の端数はどうなる?
50銭未満は切り捨て、50銭以上は1円に切り上げられます。1時間あたりの額と、1か月の合計の両方で使えます。
20時間40分はどうなる?
40分は30分以上なので、21時間として計算されます。20時間20分なら20時間です。
切り捨てられた分はあきらめるしかない?
認められた範囲を超える切り捨てなら、勤め先に確認できます。解決しないときは労働基準監督署の窓口で相談できます。
自分で記録を残す意味はある?
あります。タイムカードの控えや出退勤のメモがあると、時間の数え方を確かめやすくなります。